こんにちはdedemoniです。
今回は、気付かずうちに自分の中に形成されていった邦楽の王道観について書きました。
王道観とは
例えば、私が「漫画の王道って何」って聞かれたら「火の鳥」「ドラゴンボール」「ハンターハンター」「コナン」とかがぱっと思いつきます。
でも、どういった漫画が王道であるかという王道観なんてのは人によって変わるものだと思います。
仮にこの漫画の王道の例に「ナルト」「鋼の錬金術師」「ブリーチ」「呪術廻戦」「ドラゴンボール」とかを僕が加えた場合は、王道は王道だけど、少年漫画の戦いものに偏りすぎだと思うでしょう。(王道だと思うかどうかなので好き嫌いは別です)
このとき僕は、漫画の王道は少年漫画の戦いものだと勘違いしており、漫画に対する認識が狭くなっていると考えられます。スポーツものとか、ラブコメ、日常系の漫画が王道に入ると思っていないのです。
このような状況って、偏った情報ばかり仕入れていると案外なりやすいと思います。
そして最近、僕の邦楽の王道観もかなり歪に偏っているのだと気づきました。
そうなった経緯を説明します。
ネット上に存在する王道観
僕は14才あたりで邦楽のロックに突然はまりました。一応言うと、The back horn、cock roach、syrup16g の3バンドに心酔してました。
ネットで偶然見つけて聴いてみたら「こんな音楽、聴いたことないぞ!!!すげえ!!!」ってなってそれ以降アルバムを一つ一つ買い漁り何度も聴いていました。
これが僕の音楽の原体験です。
そのうち、困った事に買うアルバムがなくなりました。流行っているポップスとはかけ離れた音楽ばっかり聴いていたものなので、友達に勧められた音楽を聞いてみてもなかなかピンと来ませんでした。
「なんかいいアルバムねえかなあ」
そんなときに調べた方法が名盤ランキングです(笑)。盤とはアルバムのことで、客観性のかけらもない一個人が決めたランキングです。
その一例を挙げるとこんなやつです。
1995 スピッツ / ハチミツ
1996 フィッシュマンズ / 空中キャンプ
1997 サニーデイ・サービス / サニーデイ・サービス
1998 THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / GEAR BLUES
1999 Hi-STANDARD / MAKING THE ROAD
2000 椎名林檎 / 勝訴ストリップ
2001 宇多田ヒカル / Distance
2002 SUPERCAR / HIGHVISION
2003 ASIAN KUNG-FU GENERATION / 君繋ファイブエム
2004 BUMP OF CHICKEN / ユグドラシル
2005 くるり / NIKKI
2006 チャットモンチー / 耳鳴り
2007 ゆらゆら帝国 / 空洞です
2008 フジファブリック / TEENAGER
2009 相対性理論 / ハイファイ新書
2010 andymori / ファンファーレと熱狂
2011 神聖かまってちゃん / 8月32日へ
2012 ZAZEN BOYS / すとーりーず
2013 サカナクション / sakanaction
2014 銀杏BOYZ / 光のなかに立っていてね引用元URL:
2chです笑 当時の僕はさっぱり聞いたことないバンドばっかです。ゆらゆら帝国ってなんやねん笑
でも他の2ちゃんねらーはこれを受けて、あのアルバムはあり得ないだの、こっちのアルバムの方がいいだの、まるでみんな知ってるかのようにレスするんです。
また、他の2chのスレや個人ブログの名盤ランキングを沢山見てると、大体同じアルバムが入ることがわかってきます。さっきのゆらゆら帝国は絶対入ってます笑
こんなのを見てる内に、みんなが共有している邦楽の王道観があるんだなっていうのがわかってきました。このネットの世界ではゆらゆら帝国やはっぴいえんど等が王道の音楽なのです。
そして、今までアルバムからしか音楽を聴いてこなかった僕は、この王道こそが邦楽全体の王道なのだと思ってしまったのです(アホ)
僕はワクワクしてみんなのお墨付きであるゆらゆら帝国のアルバム、空洞ですを借りてみました。
が、正直何がいいのかさっぱりわからなかったです笑
曲も歌詞もヘンテコでまるで理解できませんでした。
でも、王道のバンドを手当たり次第聴いて、相対性理論、スーパーカー、フィッシュマンズ、ゲスの極み乙女などの自分のお気に入りを見つけていきました。
いろいろ聴いた結果、下のサイトの100位以降は、大体知ってるような状態になりました。
みのミュージックリスナーさんが選ぶ邦楽アーティストランキング完全版|みの|note
また、あのよくわからんかったゆらゆら帝国も気づいたら好きになっていきました。
そしてなんと、高校では同じ王道観を持っている人がいなかったのですが、大学の寮の隣人が同じ王道観だと判明しました!
相対性理論、長谷川白紙、ゆらゆら帝国などの趣味を共有することができました。
そうだよな!現実にもいて当然だよな!ゆらゆら帝国は王道の音楽だよな!
ん?まてよ
ゆらゆら帝国は王道の音楽か?
僕は当然ゆらゆら帝国はメジャーではないということは知っている。しかし、一度ネットの世界に行くと王道なのは間違いない。さっきのみのミュージックリスナー投票でも、
13位星野源、12位ゆらゆら帝国、11位宇多田ヒカル になっており
かの有名なシンガーソンガーに挟まれるくらいだぞ
でも、
でも、どう転んでもゆらゆら帝国はサブカルの域を出れないのではないか?いやむしろサブカルの王なのではないのか?
ここで俺はやっと気づいた
俺が思っていた王道はサブカルの王道
名盤ランキングなんてのはサブカルクソヤローが好んでやること
そして俺も立派なサブカルクソヤロー!!!
俺は気づいたらサブカルクソヤローになっていた
サブカルクソヤローとは、「自分の大衆向けではない趣味を誇示する人」のことです。そして、俺はネットに入り浸るうちにサブカル文化圏に染まっていたわけです。そこで問題なのは、サブカル文化圏に染まっているため流行の曲に関心が全く向かなくなっていることです。米津玄師、藤井風、King Gnuなどは大好きなので、メジャーシーンが嫌いなのではないです。(これらはまだ僕のいう王道観にも入っているためであるが)
しかし流行曲がほんとにわからん。ファーストテイクの急上昇の曲とか全然わかりません。
香水も猫もドライフラワーもヴァンパイアも知ってはいるけどちゃんと聴いたことがない。
確かに今思うとカラオケでながれたとき「俺、猫とか聴いたことないわ〜」とかわざわざ言ってました。正真正銘のサブカルクソヤローですね。痛すぎます。
まともに考えればわかった話です。王道の音楽と言われて普通の人がイメージするのは、ゆらゆら帝国などでなく香水やドライフラワーなんてことは。
なぜこんなことになったのでしょうか。
そもそも、名盤ランキングを邦楽の全体像として捉えることは、大きな2つの誤りがあったのです。
1.流行の曲ではなく過去の音楽のみ扱う。
名盤ランキングは過去の音楽が対象であり、流行の音楽とは当然縁がないです。
2.ジャンルがロックに偏る。
名盤ランキングには、HIPHOPやクラシック、ボカロ、アニソン、アイドル、テクノ、Kawaii future baseなんてジャンルの曲は一切出てきません!というかロックばっかじゃねえか!!!!!
それもそのはず、ボカロ・アニソン文化圏は一曲単位でリリースするため、アルバムなんかはいわばファン用です。昔のポップスのベストヒット曲もシングルで出されるため、名盤ランキングの対象外です。
また、クラシックやダンスミュージック等は、邦楽や洋楽などに普通分けません。
であるからして、邦楽の名盤ランキングの対象となる範囲は邦楽のごく一部であり、そもそもそういったことを好んでするのはサブカル好きであることが多いから、名盤ランキングってのは、サブカルのロックに偏るわけです。
そういうわけで僕は、漫画の王道は少年漫画の戦いものだと勘違いするのと同じようにように、邦楽の王道はサブカルのロックだと勘違いしていました。そして、流行しているポップスには興味を持たない自文化中心主義に陥っていたのです。
流行中の曲を聴いてみる
僕が名盤ランキングに頼ったのは、良質な音楽を手っ取り早く聴きたいという魂胆でした。その意味でいうなら、流行中の曲も大衆が認めているので良質な音楽であることは保証されています。
よし!流行曲聴いてみよう!
このプレイリストには僕の知らない「ポップスの王道」が無限に広がっていました。本当にこれ全部流行ってるのか?全然わからねえ。
試しに一つ聴いてみましたが、
「正体不明の吐き気…」
恐らくこれは、サブカルクソにしか分からない感覚です。僕は、今まで流行曲を散々避けてきたことが逆にアイデンティティとして確立していたのです。したがって、流行曲を受け入れるということはそのアイデンティティを自ら殺すことに等しい!!!!苦しいーーー!!!
しかし、次第に流行曲にも慣れてきました。
めっちゃいい!!!!!!!!!!!!!!
YOASOBI、優里、Vaundy。なんと心が揺さぶられることか!!!NiziU、TWICEかわええ!!
いいですね!心を開いてみると最高な曲ばかりです。今まで守備範囲外だったのがもったいなすぎる。流行から取り残されていたことが恥ずかしいです。毎日ばんばん聴いていって、サブカルクソな性格を矯正していきたいです。
最後に
僕は邦楽の王道=流行りの曲とも思ってないです。流行している曲しか追っていないのなら、優里、NiziUなどは微塵も会話に出さず、「ゆらゆら帝国は空洞ですで完全に完成した」だの語り合っているサブカルコミュニティもあるので、覗いてみると世界が広がって面白いと思います。
また、ジャンルごとに無限の王道観があると思うので、ジャンルを横断することで自分だけの幅広い王道観を作っていくといいと思います。僕も洋楽やダンスミュージックにも手を出していきたいです。
今日の寿司打(練習おすすめ) -2480点 ブラインドタッチ練習してないから前回からあんま成長してないや